言葉のもつ意味よりも音楽性を追究した1965年の詩集「音楽」で室生犀星詩人賞と読売文学賞。75年の「はかた」では失われた故郷を歌い、以後、叙事詩的な詩風を強めた。詩集はほかに「空我山房日乗其他」(芸術選奨文部大臣賞)、「幽明過客抄」(現代詩人賞)、「鎮魂歌」(藤村記念歴程賞)などがある。03年には「現代能 始皇帝」を出した。
少年時代から萩原朔太郎に傾倒し、生涯、その詩を「ことばのふるさと」とした。朔太郎の詩の音楽性を精緻(せいち)に分析するなど、戦後の朔太郎研究を主導し、「萩原朔太郎その他」など多くの研究書がある。筑摩書房版全集の編集にも携わった
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