旧尾上町出身の良造さんは、戦後に金魚売りの商売を始め、85歳で引退するまで55年間続けたという。雪解けの3月から10月いっぱいまで、よく通る美声を響かせ、金魚問屋のあった弘前市を中心とした津軽地方を売り歩いた。昔ながらのいでたちも、城下町の町並みに合うようにとこだわっていた。 当初は7〜8人いた商売仲間も時代とともにいなくなり、同地方の流しの金魚売りとしては最後の一人だった。 金魚鉢を並べたおけは30キロ近い重さがあったが、80歳を過ぎてもてんびん棒をかついだ良造さんは「春になれば、みんなが待ってるから」と言い続け頑張っていたという。せつさんは「頑固だったけれど、売り歩く姿はかっこ良かった」と振り返った。
47NEWSより引用