山形県酒田市出身。散文詩「I was born」で注目を集め、1953年、同人詩誌「櫂(かい)」に参加。71年の詩集「感傷旅行」で読売文学賞、90年に詩集「自然渋滞」で詩歌文学館賞を受ける。94年に「吉野弘全詩集」を刊行した。電車の中で若い女性がお年寄りに席を譲る際の微妙な感情の動きを女性を包み込むような筆致でつづった「夕焼け」など、日常生活の中にひそんだ感情の機微を描いた詩で知られる。「二人が睦(むつ)まじくいるためには/愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」で始まる「祝婚歌」は結婚式のスピーチでよく読まれてきた。 石油会社に勤め、労働組合運動に従事した経験もあった。国語の教科書に掲載された作品も多い。
朝日新聞より引用