佐藤先生には1975年の4月から1年間、私は明治大学商学部の教養課程で英語を教わりました。何と、教材は私が高1の夏休みに二人の訳者で読み比べた程、のめり込んだサマセット・モームの「人間の絆」(Of Human Bondage)でした。先生は和泉校舎の二階の教室まで大きなオープンリールのテープレコーダーを抱えて来られ、そのドラマをネイティブの英語で聴かせてくれました。スマートな優しい口調とともに英語を愛する先生の気持ちが教室の空間を満たしておりました。さらに、先生はその年の10月から半年間NHKラジオの大学講座英語2で、James Brittonの”Language and Learning” の原文講読を担当され、学校外でも同時期、その講義に触れるという僥倖を得ました。